見かけの制御を応用した     実世界の質感制御

本研究では瞳位置が一致したプロジェクタカメラ系(上段)を試作し、光投影を行うことで現実物体(White illumination)の透明感(Translucency)や光沢感(Glossiness)を実時間で変化させる技術を確立しました。現実世界で物体の質感を操作する技術はデザイン支援へ応用することができます。例えば、宝飾品から工業製品に至る様々な製品のデザイン過程では試作を行いますが、試作品の質感を変化させることが出来れば、素材の選定や装飾方法の検討の際に試作を繰り返す必要がなくなります。

モデル予測制御を用いた     見かけの制御

この研究ではプロジェクタとカメラを用いてフィードバック系を構成することにより、物体の色彩や明度を動的に制御する方法を提案しています。試作システムでは、色彩が薄れた印刷物などのように肉眼で判別することが困難な物体の見えを強調し、鑑賞者の視覚能力を補助することが出来ます。また,ネガティブフィードバックを行うことで見えを消すこともできます。
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Shading Illusion        印刷媒体での新しい3Dの表現方法

我々の身の回りにある新聞や雑誌,パンフレットなどのように印刷された媒体は書き換えることはできませんが,物体の見かけは物体表面の反射特性だけでなく,物体表面に照射される照明の特性との関係によって決定されます.そのため印刷された3Dコンテンツに応じて照明を制御することができれば,3Dコンテンツの見かけを変化させることが可能です.この研究では,立体情報を符号化した印刷方法とプロジェクタカメラ系を用い,印刷媒体上に陰影アニメーションを提示することで立体知覚を促す新しい立体提示方法を提案しています.

視覚障碍のための見えの強調技術

白内障や緑内障を煩うと、目の前が白くなり視野がぼやけます。このような場合エッジを強調してコントラストを向上させることにより人物の顔や文字の判別が容易になることがビデオ画像処理の研究で報告されています。本研究では、プロジェクタカメラシステムを用いてこのようなエッジ強調を現実の物体に施して視覚障碍者の補助を行うシステムを実現しました。この技術は白内障や緑内障だけではなく、二色型色覚による色の混同の問題を解決することもできます。

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Projected Light Microscopyopy

光学顕微鏡の照明装置の光路中にLCDプロジェクタによる変調操作を加え、観察資料上に任意のパターン照明を投影します。また,この様子は双眼接眼レンズとカメラポートに取り付けられたビデオカメラで観察することができ、プロジェクタカメラフィードバックにより光学的な見えの強調を行うことができます。具体的には、この光学系を用いたプロジェクタ・カメラフィードバックによりミツバチの口器のコントラスト強調、湿組織やミジンコ上の光沢除去、均一照明による画像処理品質向上、石英の色偏差強調などの技術を実現しました。この研究はJohannes Kepler University LinzのProf. Oliver Bimberと共同で行いました。